制　　作：1994年　アメリカ 　　 上映時間：143分
  監　　督：フランク・ダラボン　原　　作：スティーヴン・キング
　出　　演：ティム・ロビンス、モーガン・フリーマン
　そ の 他：1994年アカデミー７部門ノミネート
　　　　　　1995年キネマ旬報ベストテン外国映画部門第１位
　　　　　　　　　毎日映画コンクール外国映画ベストワン賞　

あらすじ

　1947年、銀行の若き副頭取アンデイ（Ｔ・ロビンス）は妻とその愛人を殺した
罪で終身刑２回の判決を受け、ショーシャンクの刑務所に投獄される。刑務所内
での暴力を受けながらじっと耐えている。そんな中、刑務所内で調達屋と呼ばれ
る囚人のレッド（Ｍ・フリーマン）と出会い、趣味の鉱物採集を始めるという理
由で小さなロックハンマーを頼み、親しくなる。２年後、屋根のペンキ塗りに駆
り出された時、看視長が兄から贈られた遺産の税金問題で困っていることを耳に
したアンディは報酬として作業仲間にビールを飲ませることを条件に解決策を助
言する。取引は成功し、ビールにありついた仲間からアンディは一目置かれるよ
うになった。看視長はその後も税金問題でアンディを頼りにし、看視のほとんど
が税金対策をアンディに頼むようになった。それが、所長の耳に入り、所長の税
金対策から始まり、終いには裏金作りの片棒をかつぐようになった……

解説

　ホラー小説の大家、スティーブン・キングの非ホラー小説の傑作と言われる
『刑務所のリタ・ヘイワース』の映画化である。無実の罪で刑務所に入れられた
アンディは希望を失わず、不屈の精神をもって、２０年近い、獄中生活を耐えて
いる。州議会に陳情して図書費用を獲得したり、モーツアルトの「フィガロの結
婚」のレコードを所内に流すなどして、仲間たちの信頼を勝ち取っていく。刑務
所を舞台にした映画の多くは“脱獄”のテクニックが主体だが、この映画ではそ
れより、いかに希望をもって生きていくかが主眼となる。フランク・ダラボンの
監督第一作だが、伏線を巧みに生かした多くのエピソードをつないでの意表をつ
くフィナーレが素晴らしい。
　この映画の公開当初は『フォレスト・ガンプ』『パルプ・フィクション』等の
話題作が多く、興行的には赤字であった。しかし、キネマ旬報ベストテン外国映
画部門第１位、毎日映画コンクール外国映画ベストワン賞を獲るなどして評価が
高まった。またこの映画を観た人から素晴らしい映画との声が口コミで伝わり、
レンタル店でも貸し出しが増えるなどして徐々に知名度が上がっていった。昨年
から全国的に展開されている“午前１０時の映画祭”の上映希望アンケートでは
一般投票で第１位であったという。