鑑賞映画解説201220

鑑賞映画の解説

ジャイアンツ
Giant
＜鑑賞日：2013・1・10＞

  制　　　作：1956年　アメリカ　　201分
  監　　　督：ジョージ・スティーブンス
　原　　　作：エドナ・ファーバー
　出　　　演：エリザベス・テイラー、ロック・ハドソン、ジェームス・ディーン
　そ　の　他：アカデミー監督賞受賞

あらすじ

　アメリカ東部の名門の令嬢レズリー（Ｅ・テイラー）は、テキサスに59万エーカーの広大な土地を持つ牧場主ビック・ベネディクト2世（Ｒ・ハドソン）と結婚した。テキサスで新しい生活に入ったレスリーはその途方もない土地の広さに驚くとともに、東部とあまりにもかけ離れた人間の気質と生活習慣の違いに戸惑う。ビックの姉のラズが家を仕切っており、レズリーに冷たくあたる。ベネディクト家の若い牧童のジェット（Ｊ・ディーン）はレズリーに密かに心を寄せつつ、ラズの元で働いている。
　ジェットの唯一の理解者のラズが落馬事故で亡くなり、遺言でジェットに土地の一部が与えられる。ビックは自己の土地の一部が分割されることを嫌い、相場の2倍で買い取ることを申し出るが、ジェットはその土地に賭けてみたいと断る。彼は油田時代の到来を知り、この土地でも石油が出ることを信じて土地を抵当に油田の採掘を行う。資金が尽き始めたころ、遂に油田を掘り当てた……

解説

　原作はアメリカ現代文学を代表する作家であるエドナ・ファーバーが、12年の歳月をかけて執筆し、出版から5年間で2500万部を売る大ペスセラーになった小説である。監督は巨匠Ｊ・スチーブンスということでその映画化はハリウッドの注目を集めていた。主役のレズリーを射止めたのは美貌の人気女優Ｅ・テイラー、夫のビックには二枚目スターのロック・ハドソンを配し、成金にのしあがる若者ジェットは前年の「エデンの東」で好演したＪ・ディーンを大抜擢した。ハリウッド全盛期の大スターを集めた3時間におよぶ「ジャイアンツ」は、ワーナー・ブラザースにとって史上最大のヒット作となった。
　この映画では、大牧場を営むベネディクト一家の1920年ころから、第二次大戦を挟む30年間に及ぶ物語がメキシコを舞台に繰り広げられる。従来からの東部と西部の対立、人種問題に加えて、石油成金の登場による価値観の衝突など20世紀初頭のアメリカの矛盾を背景にして人間ドラマが描かれた。Ｊ・チーブンスはこのスケールの大きい叙事詩を描ききって、アカデミー監督賞を得た。映画3作目のＪ・ディーンは自分の映画撮影が終わった一週間後に、交通事故で、24歳の若い命を散らした。しかし、スクリーンの中のディーンは今なお多くのフアンの胸に刻まれている。