鑑賞映画解説201223

鑑賞映画の解説

恋のゆくえ
The Fabulous Baker Boys
＜鑑賞日：2013・3・11＞

  制　　　作：1989年　アメリカ　　109分
  監　　　督：スティブ・グローブス
　出　　　演：ボー・ブリッジス、ジェフ・ブリッジス、ミシェル・ファイファー
　音　　　楽：ディブ・グルーシン
　そ　の　他：ゴールデングローブ主演女優賞（Ｍ・ファイファー）受賞

あらすじ

　シアトルのホテルのラウンジを舞台にしてピアノを弾いているジャック・ベイカー（Ｊ・ブリッジス）とフランク・ベイカー（Ｂ・ブリッジス）の兄弟デュオ「ベイカー・ボーイズ」は人気が落ちて、契約を断られる。そこで、人気挽回を図るため、歌手を加えることにする。早速、オーデションを行い、スージー・ダイヤモンド（Ｍ・ファイファー）が採用された。スージーを加えての新生「ベイカー・ボーイズ」はスタートし、スージーの人気もあって、客席はいつも満員だったが……

解説

　シアトルのホテルのラウンジを舞台に、兄弟のピアニストと女性シンガーとの織りなす恋を描いた映画。監督・脚本は映画初監督のスティーヴ・グローブス。全編を流れるのはディヴ・グルーシンの音楽である。懐かしいジャズのスタンダードの名曲がブリッジス兄弟の息のあったデュオとＭ・ファイファーの歌で、魅力溢れる大人の映画となった。
　Ｍ・ファイファーの歌う曲は次の7曲、『モア・ザン・ユー・ノー』『テン・センツ・ア・ダンス』『君の瞳に恋してる』『恋のおもかげ』『メイキング・ウービー』『フィーリング』『マイ・ファニー・バレンタイン』とあるが、最大の見せ場はホテルのクリスタル・ルームで歌う『メイキング・ウービー』である。スリットの割れた真っ赤なドレスを着たスージーが、ジャックの弾くグランド・ピアノの上にあがって歌う大胆なシーンは、観客の目を奪う。このほか、グルーシンの選んだ曲は、『イパネバの娘』『キャンディ・マン』『天まで高く』『バートランドの子守唄』『バーディド』『ムーングロー』『私が言うまで何もしないで』『ソリチュード』とスタンダードの名曲が並び、ジャズフアンにはこたえられない映画となっている。

　Ｍ・ファイファー（1958～）：この映画でアカデミー主演女優賞にノミネートされ、落選したが、ゴールデン・グローブ賞主演女優賞（ドラマ部門）を得ている。

　Ｊ・ブリッジス（1949～）：父親は俳優のロイド・ブリッジス。兄のボー・ブリッジス（1941～）はこの映画でフランク・ベイカー役で共演している。ジェフはこれまで４回、アカデミー主演男優賞でノミネートされていたが、いずれも落選し、「ハリウッドで最も過小評価された俳優ＮＯ１」として無冠の名優と言われていたが、2009年「クレイジー・ハート」でようやくアカデミー主演男優賞を獲得した。