鑑賞映画解説201321a

鑑賞映画の解説

紳士は金髪がお好き
Gentlemen Prefer Blondes
＜鑑賞日：2014・2・10＞

制　　　作：1953年　　アメリカ　91分
監　　　督：ハワード・ホークス
原　　　作：ジョセフ・フィールズ、アニタ・ルース
出　　　演：マリリン・モンロー、ジェーン・ラッセル

あらすじ

　ニューヨークでショーガールとして働くローレライ（ジェーン・ラッセル）とドロシー（マリリン・モンロー）は幼馴染みの親友だが、性格は正反対。お金に目がないローレライは、彼女に夢中な資産家の息子・ガスと豪華客船でパリに渡り、結婚式を挙げることになる。だが、直前にガスは父親の病気で旅に出られないと言いだした。しかし、ローレライは船旅をあきらめきれず、ドロシーを誘ってパリに向かう。美人のローレライとドロシーは乗客の男たちの目を惹く。さっそく、金持ちの男性客を物色はじめるローレライ。姉ご肌でしっかり者のドロシーは、アーニーという男性客と知り合った。実はアーニーは、ガスの父親がローレライの行動を見張らせるために雇った探偵だった。そうと分かってもドロシーはアーニーが気になる。
　ローレライはダイヤモンドの鉱山を持つ富豪のピークマンと知り合い、色仕掛けで高価な髪飾り（ティアラ）を巻きあげる。だが、パリに着いてみると泊るはずのホテルがキャンセルされていた。アーニーからの報告を受けたガスの父親が、予約を取り消したのである……

解説

　1949年初演の同名のブロードウエイ・ミユージカルの映画化である。娯楽映画の名手、ハワード・ホークス監督が、前作「ナイアガラ｣(1953年)の「モンロー・ウオーク」で人気を集めたマリリン・モンローとジェーン・ラッセルという二人のグラマー女優を使って、豪華なミュージカル映画を作った。ホークス監督は二人の個性を巧みに生かしながら、恋を巡って次々と起こす騒動を歌と踊りで小気味よく展開する。映画でオープニングに紹介される。『リトル・ロックからきた女の子』ではスパンコールをちりばめた赤いドレスのモンローとラッセルのセクシーなダンスで観客を圧倒し、ラッセルがスポーツ選手の一団と踊る「バイ・バイ・ブラック・バード」をはじめ魅力的なミュージカル・ナンバーが次々と登場する。パリのクラブで歌う『ダイヤモンドは女の子の親友』は真っ赤なセットにピンクのドレスのモンロー、正装した男性コーラスたち、ムード満点の伴奏は50年代のハリウッド・ミュージカルの代表作といわれている。この映画では当初モンローの歌は、スター女優の歌の吹き替え専門のマーニ・ニクソンが予定されていたが、モンローの特訓によりごく一部にしか吹き替えは見られなかったという。モンローにとってこの映画は、主演わずか２本目にして、大先輩ラッセルをしのぐ演技を見せ、スターの座を確実にした記念すべき映画となった。