鑑賞映画の解説

007ロシアより愛をこめて
007 From Russia with Love
＜鑑賞日：2014・12・22＞ 
　制　　　作：1963年　英国　110分
　監　　　督：テレンス・ヤング
　原　　　作：イアン・フレミング
　出　　　演：ショーン・コネリー、ダニエラ・ビアンキ、ロッテ・レーニア
あらすじ

　国際的秘密結社スペクターは、ソ連情報部の最新暗号解読機を手に入れようと画策を始めた。ソ連情報部のクレップ（ロッテ・レーニア）が密かにスペクターに転向したのを機会に、それを知らぬソ連の下級女子職員ロマノワ（ダニエラ・ビアンキ）を利用して、解読機を盗ませ、英国まで運ぶ。その際、ジェームス・ボンドへの復讐を兼ねて、ボンドを頼って英国に連れて行ってもらう。その途中でスペクターはボンドを殺し、暗号機を奪い取るという計画である。
　英国情報部長Ｍのもとにトルコ支局長ケリム（ペドロ・アルメンダリス）からロマノワというソ連情報部の娘がボンドの写真を見て一目惚れしたので、ぜひ会わせてくれ、もし、ロンドンに連れて逃げてくれたら、ソ連の暗号解読機を盗みだすという連絡を受けたがどうかというのである。ボンドは話がうますぎると思ったが、イスタンブールへ飛んだ。ホテルにロマノワも現れた。そして、解読機も簡単に盗みだせた。ボンドとロマノワは夫婦を装ってオリエンタル急行にとび乗った。ケリムはポンドの護衛を買って出たが、途中、ソ連の刺客に襲われ殺された。次の駅で、スペクターから派遣された殺し屋ＮＯ１のグランド（ロバート・ショー）が乗り込んだ。グランドは英国情報部長の部下と偽ってボンドを信用させ、ロマノワを催眠薬で眠らせ、ボンドを襲った。死闘の末、ボンドは相手を倒した。列車が急停車した。踏切でグランド出迎えの貨物トラックが止まっていた。ボンドはロマノワを連れて、そのトラックを奪い国境を目指すが、国境警備のヘリコプターに狙われる……
解説

　００７シリーズ第２作。第１作『ドクター・ノー』(1962年)の成功により、さらに趣向をこらし、屈強な殺し屋との格闘、ヘリコプターとの追跡、ボートでの脱走とスリルとサスペンスに富んだシーンが次々と展開される。それにボンド・ガールに知性と色気を兼ね備えたダニエラ・ビアンキを登用して目を楽しませる。支給品の秘密兵器も、仕組みの説明も事前に入り、いつ、どこで使われるかも興味を添えた。 本作は、1963年の世界興業収入では第１位となり、日本では第６位であった。
　この映画は、1964年４月の日本初公開時の日本語タイトルは『００７危機一発』であったが1972年に邦題を小説タイトル(ロシアから愛をこめて)に近い『ロシアより愛をこめて』としてリバイバル公開された。