鑑賞映画解説201506

鑑賞映画の解説

インドシナ
Indochine
＜鑑賞日：2015・6・22＞

  制　　　作：1992年　フランス　　159分
  監　　　督：レジス・ヴァルニエ
　出　　　演：カトリーヌ・ドヌーヴ、リン・ダン・フアン、ヴァンサン・ペレーズ
　受　　　賞：アカデミー外国語映画賞、セザール賞主演女優賞・助演女優賞

あらすじ

　1930年代、インドシナは植民地としてフランスに支配されていた。インドシナ人は、一部の特権階級を除いて虐げられ、苦しい生活の中で、共産主義者による独立の機運が高まっていた。
　インドシナ生れのフランス人エリアーヌ（カトリーヌ・ドヌーブ）は実父の面倒を見ているうちに婚期を逸し、独身のままゴム園の運営を続けていた。また、親友のアンナンの王族である友人夫妻を事故で失い、遺児のカミーユ（リン・ダン・ファン）を養女として、また、遺産である広大なゴム園の経営も引き受けている。養女カミーユが美しい娘に成長した頃、エリアーヌは年下のフランスの海軍士官ジャン＝バティスト（ヴァンサン・ペレーズ）と恋に落ちる。しかし、街中で起きた共産主義者による発砲事件に巻き込まれたカミーユが、偶然バティストに助けられたことで、カミーユはバティストに熱烈な恋をする。
　カミーユのことでエリアーヌと口論になったバティストは人々の目の前で、エリアーヌを殴り、罰として僻地のドラゴン島に左遷された。カミーユは親同士の取り決めで幼馴染みのタンとの結婚が決まっていたが、カミーユはタンに総てを打ち明け、バティストを追ってドラゴン島に向かった。カミーユを逃がしたタンも、特権階級の暮らしを捨てて、独立運動に参加する。
　荒地を歩いてやっとドラゴン島にたどりつくが、そこはフランス軍が統治する奴隷売買の拠点だった、カミーユが道中知り合ったインドシナ人が、フランス軍将校に虐待されているのを目撃したカミーユは，思わず相手の拳銃を奪って撃ち殺してしまった。駆けつけたバティストと共にドラゴン島を脱出し、共産主義者の地下組織に匿われた……

解説

　1930年代、フランスの植民地だったインドシナに独立運動が起こり始めた頃、インドシナに生まれ育った女性と、独立運動に身を投じたその養女の人生を描いた壮大な叙事詩である。エリアーヌとカミーユは、海軍士官バティエストを同時に愛したが、カミーユとバティストとの間に生まれた息子エチエンヌはフランスに帰ったエリアーヌが育て、成人する。エリアーヌがインドシナで最後に得たのはインドシナの申し子、エチエンヌであった。
　カトリーヌ・ドヌーブは50歳近くなっても依然として美しく、フランス映画界のエースである。1943年、フランス・パリ生まれ。60年に映画界入り。主な出演作は『シェルブールの雨傘』（63年）、『昼顔』（66年）。『終電車』（80年）。