鑑賞映画の解説

上流社会
High Society
＜鑑賞日：2015・7・27＞ 
  制　　　作：1947年　米国　　107分
  監　　　督：チャールズ・ウオルターズ
　原　　　作：フィリップ・バリー
　音　　　楽：コール・ポーター
　出　　　演：グレイス・ケリー、ビング・クロスビー、フランク・シナトラ
　　　　　　　セレステ・ホルム、ジョン・ランド
あらすじ

　デクスター（Ｂ・クロスビー）はニューポートに住む百万長者でジャズの作曲家。隣家の富豪の娘トレイシー（Ｇ・ケリー）とは二年前に結婚したが、すぐ離婚してお互い独身同士である。トレイシーにはジョージ（ジョン・ランド）という婚約者がいて、明日は結婚式の予定だが、デクスターはトレイシーに未練があり、なんとか再婚させまいと考えている。トレイシーの結婚式を取材するために雑誌社から記者のマイク（Ｆ・シナトラ）と女性カメラマンのリズ（セレステ・ホルム）が来訪した。マイクはトレイシーの魅力に参ってしまい、取材もおろそかである。結婚式前夜のパーテーで、酔ったトレイシーはマイクとプールで泳ぎ、婚約者のジョージは二人の仲を疑った……
解説

　原作はフィリップ・バリーの戯曲。1940年『フィラデルフィア物語』として監督　ジョージ・キューカー、出演　キャサリン・ヘップバーン、ケイリー・グラント、ジェームス・スチュアートで映画化され、大ヒットしている。同じ原作で1956年に再映画化したのがこの映画である。この映画の主役グレイス・ケリーは1955年にモナコ公国レーニエ大公と婚約し、最後の映画出演作がこの『上流社会』となった。旧作はソフィステケートな喜劇だったが、この映画はミュージカル仕立ての映画とした。このため、ヒロイン、トレイシーに夢中になる二人の男性に、『ホワイトクリスマス』の甘い歌声で世界中の女性を魅了したビング・クロスビーと、当時歌手として人気絶頂のフランク・シナトラを配し、それに、“サッチモ”ことルイ・アームストロングとその楽団を加えて、ケリーを送るにふさわしい豪華な映画となった。
　音楽はポピュラー音楽の大御所コール・ポーターが担当。“トゥルー・ラブ”をはじめ９曲を提供し、ケリーの引退作に花を添えた。ケリーも歌を披露し、クロスビー、シナトラとの二重唱も楽しい。
　大団円でのケリーのウエディングドレス姿は、１年後、実際のレーニエ大公との挙式で見せたイメージそのままだったという。
　グレイス・ケリー　（1928～1982）
　ビング・クロスビー（1903～1977）
　フランク・シナトラ（1915～1998）