鑑賞映画解説201517

鑑賞映画の解説

007ドクター・ノオ
007 Dr.No
＜鑑賞日：2015・12・7＞

  制　　　作：1962年　アメリカ　105分
  監　　　督：テレンス・ヤング
　原　　　作：イアン・フレミング
　出　　　演：ショーン・コネリー、ジョセフ・ワイズマン、ウルスラ・アンドレス

あらすじ

　ジャマイカで、英国秘密情報部支局長が3人の盲目男たちに暗殺されるという事件が起きた。支局長の任務はＣＩＡの要請でアメリカのケープカナベラルの基地から発射される月面ロケットの弾道を狂わす電波発信地を突きとめることだった。英国情報局Ｍ16の長官は、コードネーム007を持つエージェント、ジェームズ・ボンド（ショーン・コネリー）を現地に向かわせ事件の捜査を命じた。ボンドは支局長の足取りを洗った。支局長は最近、魚釣りに興味を抱き、連日海へ釣りに出かけていたが、それは、ポーキサイド開発中の中国人ドクター・ノオ博士（ジョセフ・ワイズマン）所有のラブ島を捜索するためということが判った。アメリカのＣＩＡのエージェントのクオレルの案内で闇をついてラブ島に上陸する。島で二人はエキゾチックなアメリカ娘ハニ―（ウルスラ・アンドレス）と出会い、彼女は二人に協力してくれた。しかし、上陸した三人はすぐにノオ博士の部下に見つかり、火炎放射器を備えたトラクターに攻撃され、クオレルは焼け死んだ。ポンドとハニーは拘束され、施設に入れられ、放射能の除染を受ける。その後、二人はノオ博士と対面する……

解説

　イアン・フレミング原作のスパイ活劇小説の映画化で、007シリーズ第1作である。当初は『007サンダーボール作戦』が第1作となる予定だったが、著作権の関係で第6作の『ドクター・ノオ』が選ばれた。公開当時、米ソの対立は深まり、キューバ危機や宇宙開発競争などが重なり、時勢に合った映画となった。
　100万ドルというシリーズ最低の低予算で製作されたが、6000万ドルに近い興業収入を上げ、1962年の映画の世界興業成績で第1位となった。以降、2015年の『007スペクター』まで2４本の007シリーズは製作されている。第1作のジェームズ・ボンド役に登用されたショーン・コネリーは第7作『ダイヤモンドは永遠に』まで、第６作『女王陛下の007』を除いてボンド役を務めている。コネリーの後を継いだボンドには、ジョージ・レーセンビー、ロジャー・ムーア、ティモシー・ダルトン、ピアース・ブロスナン、ダニエル・クレイグ（『007 スペクター』）が扮している。近代テクノロジーで武装した諜報部員のボンドが、美女と戯れながら敵を倒すという基本的なコンセプトは本第1作で出来上がっている。しかし、第1作だけに後続のシリーズに登場する秘密兵器は未登場であり、またストーリーの展開も練りに足りないものがある。
　本作品は、1962年の上映時には邦題名は『007は殺しの番号』であったが、後に『007ドクター・ノオ』と改題された。