（2023年度）
毎月の句会で生まれた秀句です
【172回浮雲俳句会】
2023年6月
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特選 |
かろがろと岩磯伝ふ日焼の子 |
とも女 |
| 萍に日の沈み入る緋曼荼羅 |
十 九
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| 木洩れ日の古道の壁や苔青し |
真 青
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| 名人の若き笑顔や梅雨晴間 |
十 九
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| 終点は落人の里著莪明かり |
二 祥
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| チェロケース抱ふ少女は片かげり |
勇 平
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| 被写体は名も無き野草青岬 |
三 旦
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| 鳥たちの天突く響き夏木立 |
和 女
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【173回浮雲俳句会】
2023年7月
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特選 |
股のぞきして夕焼に溺れけり |
十 九 |
| 夜祭のはだか電球子らを呼ぶ |
とも女
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| 睡蓮の眩しき白や睡る午後 |
和 女
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| 若き日の母と旅せし夏帽子 |
とも女
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| 夏祭り俄仕立てのクラス会 |
二 点
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| 輪に入るは揃ひ浴衣の社中連 |
二 祥
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| はまなすや宗谷へ向かふ窓蒼し |
あきえ
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| 聞き上手話し上手の端居かな |
一 梲
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【174回浮雲俳句会】
2023年8月
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特選 |
夕闇を待たせて広き蕎麦の花 |
十 九 |
| 手のひらの影ゆらめきて風の盆 |
とも女
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| 文月や墨の香残る亡父の書 |
和 女
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| 抽斗の文殻出して秋の宵 |
二 点
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| みじろぎもせず読む碑文広島忌 |
十 九
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| 新涼の匂ひは薄荷風に乗り |
祥 代
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| 夜半の秋付箋のふゆる季寄せ集 |
一 梲
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【175回浮雲俳句会】
2023年9月
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特選 |
曲り家の風の葉音や小鳥来る |
二 祥 |
| 百態の雲流れゆく秋の空 |
和 女
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| 戸を繰るややれ満月と鉢合はせ |
とも女
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| ひとひらの雲の軽さよ秋髙し |
十 九
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| 彼岸花古堂を囲む衛士の如 |
あきえ
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【176回浮雲俳句会(吟行会)】
2023年10月
| 特選 |
柴ファーム我が物顔の青蜜柑 |
一 梲 |
| 門前へ抜くる隧道木の実降る |
二 祥
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| かねざわの晶子も詠みし海さやか |
重 九
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| 魚鱗の碑秋の草伸ぶ岬下 |
真 青
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| 秋麗歴史の宝庫金澤園 |
祥 代
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| 白壁を真っ赤に覆ふ蔦紅葉 |
重 九
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【177回浮雲俳句会】
2023年11月
| 特選 |
ほのぼのと朝粥の湯気冬に入る |
とも女 |
| 兄看取る村の一夜の虎落笛 |
一 梲
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| 水鏡青き空へと紅葉散る |
和 女
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| 縁側に小春と猫と座りをり |
とも女
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| 丸窓に紅葉散る影文机 |
あきえ
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| 袴着の動画をそっと看護人 |
三 旦
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| モノレール凩の中ゆがみ来る |
とも女
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【178回浮雲俳句会】
2023年12月
| 特選 |
浄土とはこんなものかも日向ぼこ |
十 九 |
| カフェの窓ポインセチアにエトランゼ |
二 点
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| 零れゆく時間を惜しむ師走かな |
とも女
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| しんしんと闇に溶けゆく霜の声 |
二 祥
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| 残照をのみ込む闇に冬の月 |
和 女
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【179回浮雲俳句会】
2024年1月
| 特選 |
音のなき瓦礫の街の霜の華 |
十 九 |
| 手鏡の光追ふ子や初笑ひ |
真 青
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| 槌音の空に張りつく寒さかな |
とも女
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| 挙手に声襷待つ間や息白し |
二 祥
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| 出雲路に握る妻の手日脚伸ぶ |
重 九
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| 地震津波航機炎上年始 |
あきえ
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| 街灯に粉雪しまく運河かな |
二 祥
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【180回浮雲俳句会】
2024年2月
| 特選 |
下萌や近江の城は野面積み |
二 祥 |
| 足に聞く大地の鼓動青き踏む |
十 九
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| 雨しづく小枝に残る余寒かな |
えいこ
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| 早春のひかりの海へ水脈を曳く |
和 女
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| 牡丹の芽重ぬる袴色堅し |
あきえ
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| 紅白の梅に託せし絵馬数多 |
あきえ
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| 強東風や野球帽追ふ控えの子 |
二 点
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【181回浮雲俳句会】
2024年3月
| 特選 |
またひとつ灯りのともる能登の春 |
勇 平 |
| 三月や廃線ときくバスの揺れ |
えいこ
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| 初音聞く白衣観音笑み深し |
あきえ
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| 濡れ縁に草餅ふたつ老ふたり |
とも女
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| 春愁や波引く浜の虚貝 |
二 祥
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| 無人機の飛び交う空へ鶴帰る |
十 九
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| 空翔る千の翼や白木蓮 |
和 女
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