(2024年度)
毎月の句会で生まれた秀句です
【182回浮雲俳句会】
2024年4月
特選 |
山々の樹冠に淡き花の雲 |
和 女 |
鳴き砂を踏む音軽き春の海 |
和 女
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鶯や野島一島ふるはせて |
とも女
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永き日や三分間の砂時計 |
二 祥
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野島浦浮世絵のごと浅蜊舟 |
重 九
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大和から令和咲きつぐ根尾桜 |
重 九
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【183回浮雲俳句会】
2024年5月
特選 |
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(九年前の5月大患す) |
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濃き海霧(じり)に引き込まれゆく小舟かな |
重 九 |
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罅割れの能登千枚田代掻きて |
祥 代
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一望の代田に一羽鷺の舞ふ |
あきえ
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老鶯や渓流釣りの生き字引 |
えいこ
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無住寺の闇十薬のほの明かり |
十 九
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【184回浮雲俳句会】
2024年6月
特選 |
校庭へ弾き出る子ら梅雨晴間 |
とも女 |
峡の宿闇にしみ入る河鹿かな |
二 祥 |
紫陽花の寺の手水に浮くいのち |
和 女 |
行人の素足りくぞく足湯かな |
重 九
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大瀑布連写の音を押し潰す |
一 梲
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白百合や背筋きりりと蕾解く |
和 女
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植田吹く風少年の淡き恋 |
重 九
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好日やいつもどほりの冷奴 |
祥 代
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【185回浮雲俳句会】
2024年7月
特選 |
亡き母の齢となりぬ走馬灯 |
二 点 |
丸窓に夏の富士映ゆ帰国便 |
あきえ
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薄れゆく夕焼け惜しむ遠汽笛 |
十 九
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浜日傘色とりどりや沖に富士 |
一 梲
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諍いのあとにひとつの青林檎 |
勇 平
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落し文言問橋の古刹かな |
あきえ
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【186回浮雲俳句会】
2024年8月
特選 |
赤蜻蛉穂波を統ぶるタクトかな |
あきえ |
流星を待つや亡き夫眼裏に |
えいこ
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新参の出会ひの句会初涼かな |
重 九
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涼新た新紙幣来し「すかし」見る |
勇 平
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月代や窓辺に遠き波の唄 |
十 九
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淡紅の柔肌剝くや水蜜桃 |
重 九
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【187回浮雲俳句会】
2024年9月
特選 |
鰡飛ぶや一番星の舟溜まり |
二 祥 |
空澄むや水琴窟の音も澄みて |
あきえ
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老木のお洒落はじめや薄紅葉 |
とも女
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托鉢の青き頭頂へ初紅葉 |
三 旦
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季の移り見えないままの秋彼岸 |
十 九
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苦は底に沈めて澄める秋の水 |
十 九
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堂裏に集(すだ)きて深し虫の闇 |
二 祥
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鰯雲波間より吐く鳥の群 |
和 女
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鮭遡上むくむくと川盛り上がる |
一 梲
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【188回浮雲俳句会(吟行)】
2024年10月
特選 |
言ひ伝ふ波除神社秋気充つ |
一 梲 |
団栗の落ちたる向きのさまざまに |
えいこ
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新松子朝日輝く八幡宮 |
二 点
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船溜まり句帳片手に秋手中 |
一 梲
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且つ散りて巫女の背に降る紅葉かな |
重 九
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鯊狙う鳥の羽ばたき舟だまり |
和 女
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秋雲や並木は海抜二メートル |
二 祥
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【189回浮雲俳句会】
2024年11月
特選 |
落葉風目礼交はす竹箒 |
とも女 |
時雨去り遠山光る坂の上 |
とも女
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蜜柑剝く車内は郷の香りかな |
三 旦
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立冬の風音はらむ大樹かな |
えいこ
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残り鷺一羽水辺の主となる |
和 女
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